聴覚情報処理障害(APD)、聞き取り困難(LiD)について
[2025.05.22]
聴 覚 情 報 処 理 障 害(Auditory precessing disorder: APD)とは、耳に問題がないにも関わらず、騒音下での語音の聞き取りや、早口音声、複数人数での会話などで、聞き取り困難を訴える状態で、聞き取り困難症(Listening difficulties:LiD)とも言われています。この二つは専門家の間では若干のニュアンスの違いがあるようですが、基本的には同じものと考えてよいと思います。比較的新しい概念で、診断基準や診療方針などが整備されていませんでしたが、2024年3月に「LiD / APD診断と支援の手引き(2024 第一版)」が作成され、診断基準案が提唱されました。この診断基準案では、通常の聴力検査や言葉の聞き取りの検査に異常がなく、聞き取り困難の自覚症状があれば、聴覚情報処理障害と診断できるとされています。通常の聴力検査(純音聴力検査)はどの耳鼻咽喉科クリニックでもできますので、言葉の聞き取りの検査(語音聴力検査)までできるクリニックであれば診断ができます。
聴覚情報処理障害と診断された場合、これは治療できるものではありませんので、周囲が聞き取りやすい話し方をする、周囲の雑音を減らす、デジタル耳栓などの機器を使用する、聞き取りのトレーニングをするなど、治療以外の支援で対応していくこととなります。また、診断後の検査としては、聴覚情報処理検査や騒音下でのことばの聞き取り検査、発達障害がないかの検査などがありますが、結果の如何にかかわらず支援は必要なので、診断後の検査を待っている間は、何もしないよりは前述の支援を先行させていくのが良いと思います。ただ、特に小児の場合は発達障害がないかの検査は重要ですので、早めに受けていただいたほうがよいでしょう。本来ならば大学病院などですぐに詳しい検査が受けられるとよいのですが、検査待ちが長く、現実的には地域の耳鼻咽喉科で診断を行い、できるだけ早く支援を始める必要があります。当院では通常の聴力検査(純音聴力検査)、チェックシートを用いた聞こえの問診に加え、言葉の聞き取りの検査(語音聴力検査)まで施行できるため、聴覚情報処理障害の診断まで可能です。しっかりと診断後のサポートができるよう、当院で支援のアドバイスをするほか、支援にご協力いただける施設の情報収集などを引き続き行っていこうと思います。
聴覚情報処理障害と診断された場合、これは治療できるものではありませんので、周囲が聞き取りやすい話し方をする、周囲の雑音を減らす、デジタル耳栓などの機器を使用する、聞き取りのトレーニングをするなど、治療以外の支援で対応していくこととなります。また、診断後の検査としては、聴覚情報処理検査や騒音下でのことばの聞き取り検査、発達障害がないかの検査などがありますが、結果の如何にかかわらず支援は必要なので、診断後の検査を待っている間は、何もしないよりは前述の支援を先行させていくのが良いと思います。ただ、特に小児の場合は発達障害がないかの検査は重要ですので、早めに受けていただいたほうがよいでしょう。本来ならば大学病院などですぐに詳しい検査が受けられるとよいのですが、検査待ちが長く、現実的には地域の耳鼻咽喉科で診断を行い、できるだけ早く支援を始める必要があります。当院では通常の聴力検査(純音聴力検査)、チェックシートを用いた聞こえの問診に加え、言葉の聞き取りの検査(語音聴力検査)まで施行できるため、聴覚情報処理障害の診断まで可能です。しっかりと診断後のサポートができるよう、当院で支援のアドバイスをするほか、支援にご協力いただける施設の情報収集などを引き続き行っていこうと思います。