補聴器診療
当院では、保険診療として補聴器診療を行っています。補聴器をつけてみようかと思ったときはどこに行きますか?電気屋さん、補聴器の看板を出しているメガネ屋さん、補聴器販売店などもありますが、まずは補聴器相談医の資格を持つ耳鼻咽喉科専門医を受診することが推奨されています。当院では、その中でも高いレベルの補聴器診療ができるよう、十分なスタッフと設備を整えています。医療機関だからこそできる診察に加え、検査データをもとに十分な説明を行いながら、皆さんの聴覚活用をサポートしていきます。また、補聴器を用いた耳鳴診療も行っています。
*当院は補聴器適合検査及び高度難聴指導の施設基準を満たす医療機関です。
補聴器はどれくらいの難聴から必要?
補聴器が必要な聴力に明確な基準はありません。どれくらい視力が落ちたら眼鏡がいるという明確な基準がないのと同じです。なぜなら、それぞれの生活環境によって必要な聴力や視力が異なるからです。
そのため、基本的には聞こえに困ったら補聴器が必要ということになりますが、本人が困っていなくても周囲の人が困っている場合もあります。最近では認知症の最大のリスクは難聴との論文も有名医学誌で発表されていますし、交通事故のリスクも高まります。聞こえが気になったら、まずは耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてみてはいかがでしょうか。
一般的には、普通の大きさの声での会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する40dBくらいの平均聴力レベルが、補聴器装用をお勧めする基準とされています。
聴覚リハビリテーション
補聴器を初めて装用すると、
これは、耳がうるさく感じやすく変化していたり、
はじめは少しうるさく感じるけれども我慢はできるという程度の出
当院で補聴器診療の特徴
- クリニックが主体となった補聴器診療(保険診療)
- 聴覚を専門としてきた耳鼻咽喉科医による専門的な診察
- 専門家による補聴器適合検査と補聴器の調整
- 補聴器の無料貸し出し
- 過去の購入した補聴器の調整も可能
- 定期的な聴覚メンテナンス
1クリニックが主体となった補聴器診療(保険診療)
耳鼻咽喉科クリニックの多くに補聴器外来がありますが、補聴器販売店の出向サービスにとどまるものがほとんどです。当院は、十分なスタッフと補聴器関連機器を取り揃えています。クリニックが主体となった耳鼻咽喉科医師、言語聴覚士、認定補聴器技能者が連携した補聴器診療が可能です。
2 聴覚を専門としてきた耳鼻咽喉科医による専門的な診察
当院の院長は聴覚を専門分野にしており、病院勤務時代にクリニックから多数の難聴の患者さんの紹介を受けて詳細な検査を行うとともに、1000例以上の耳科手術の執刀経験があります。充実した院内設備による検査を踏まえて、患者さんの難聴が投薬や手術などの治療で治せるものなのかどうか、というところからしっかりと説明ができます。
また、補聴器をつけることでどの程度の効果が見込めるのかということもしっかり説明が可能です。補聴器適合判定医師、補聴器相談医、身体障害者福祉法15条指定医の資格をもっており、補聴器適合の判定や、補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)の交付、規定を満たせば身体障害者の認定が可能です。
3専門家による補聴器適合検査と補聴器の調整
当院には言語聴覚士及び認定補聴器技能者の資格を持つスタッフが勤務するとともに、認定補聴器専門店と連携しています。医師による難聴についての医学的診療、言語聴覚士及び認定補聴器技能者による補聴器の調整および適合検査が院内で一連のものとして可能です。複数回の調整と聴覚リハビリテーションで、皆さんの耳が持つ聞き取りの力を、最大限に引き出すことを目指します。
4補聴器の無料貸し出し
当院では認定補聴器専門店と連携して補聴器の無料貸し出しを行っていますので、気軽に補聴器を試すことができます。この期間に聴覚リハビリテーションを進めていきますが、費用分の効果がないとお考えになった場合は、補聴器を購入する必要はありません。
5過去の購入した補聴器の調整も可能
院内に充分な設備があるため、過去に購入したものの使えないと思ってタンスに眠っている補聴器も調整が可能です。もしかしたら、正しく調整することで出費を抑えることができるかもしれません。当院は保険診療で認められている聴力検査や補聴器適合検査を行うことで医業収益を上げることができますので、ご遠慮いただく必要はありません。ただ、その補聴器にロックがかかっていたり、古い補聴器で故障していたりすると、残念ながら調整はできません。
6定期的な聴覚メンテナンス
補聴器を装用することは、十分な聴覚活用のスタートにすぎません。耳垢がたまるなどの耳内の変化や、加齢による聴力の変化に対して、耳鼻科の診療や補聴器の調整などで正しく対処していく必要があります。当院では定期的な通院(安定すれば半年~1年毎でかまいません)により、十分な聴覚活用をお手伝いしていきます。
当院の補聴器診療の流れ
1.受診1回目(通常通りの耳鼻科外来受診)。
他の初診、再診の患者さん同様に順番待ちシステムで来院していただきます。
問診、耳内の診察、聴力検査などで、この難聴が治療できないのか、補聴器装用の効果が期待できるのかを診察します。補聴器装用の効果が期待できそうなときは、補聴器外来を予約します。
2.受診2回目(補聴器外来)
補聴器の調整に必要な検査に加え、実際に補聴器を装用して、装用した時の印象を問診したり、補聴器適当検査を行います。補聴器貸し出しのご希望があれば、補聴器の無料貸し出しを行い、補聴器装用が始まります。補聴器は可能な限り補聴器を常時装用していただきます。補聴器に慣れて、安定して装用していくための聴覚リハビリテーションの開始です。
3.受診3回目以降(補聴器外来)
貸し出しから3か月間程度は、時期により1-4週間毎に来院していただき、装用感や装用時間を問診したり補聴器の調整を行うとともに、聴覚リハビリテーションが順調に進んでいるか確認していきます。聴覚リハビリテーションが進むに従い、補聴器の利得(音の増幅の大きさ)も徐々に上げていきます。
聴覚リハビリテーションと補聴器の調整が一定のレベルに達した時点で、補聴器装用の効果が実感できてご希望があれば補聴器を購入していただきます。補聴器について費用分の効果がないとお考えになった場合は、ご購入いただく必要はありません。
4.補聴器購入後(補聴器外来)
購入後3か月、半年、1年時点など、定期的に通院していただきます。安定すれば半年~1年毎に受診していただき、十分な聴覚活用をお手伝いしていきます。