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耳鳴診療

耳鳴は治らない病気と思われています。医療機関を受診しても、治らないと言われて終わることも多いと思います。しかし、全く何もできないわけではありません。耳鳴りについて正しく理解し、必要に応じた治療を受けることで、耳鳴の苦痛を改善できる可能性があります。

耳鳴とは?その原因は?

耳鳴とは、音が鳴っていないのに音が聞こえてしまう状態です。自分の血管の音などを聞いているような場合もありますが、多くの場合は全く音源がないのに耳鳴が聞こえてしまう状態になっていて、難聴を伴う場合が大半です。

なぜ難聴になると耳鳴がしてしまうのか?以前から、耳が悪くなっているので、音が聞こえていないのに脳に音が聞こえているような情報を耳が脳に送ってしまうという説がありました。

確かにそのような場合もあるかもしれませんが、それだけでは説明がつかないことも多いので、最近では音情報が脳に届いていないため、脳が過敏になって耳鳴が聞こえてしまうという説が主流になってきています。

耳鳴への対応について

自分の血管の音を聞いているような耳鳴の場合は、脳血管に異常がある可能性もありますのでMRIなどで詳しい検査が必要です。ただ、詳しい検査が必要かどうかの判断も難しいため、まずは耳鼻咽喉科を一度受診するのがよいでしょう。しかし、治療を要することは実際は少ないのが現状です。耳鳴の大半を占める難聴に伴う耳鳴において最も大切なことは、耳鳴についての正しい理解です。

難聴に伴う耳鳴があるからといって、難聴がひどくなることはありませんし、実際にはない音が聞こえてしまうだけなので、気にせず過ごすことができればそれば一番です。

しっかりした検査をしたうえでこのようなカウンセリングをするだけで、納得していただいてお帰りいただける方が大半です。しかし、耳鳴に伴う苦痛がひどい場合は治療の対象になることがあります。

カウンセリングのみで不十分な場合の治療としては、補聴器やTRT(Tinnitus Retraining Therapyの略。耳鳴順応療法)といった音響療法、薬物療法、心理療法、などがあります。

音響療法(補聴器、TRT)について

耳鳴とは?その原因は?で説明した通り、難聴に伴う耳鳴の原因は、音情報が脳に届いていないことです。そのため、補聴器で音を入れることで、耳鳴が改善できることがあります。

欧米そして日本のガイドラインでも、難聴がある耳鳴には補聴器装用を推奨しています。

当院で治療を行う場合、検査の上で補聴器装用で改善が期待できる可能性がある苦痛の強い耳鳴には、補聴器装用をおすすめしています。後述する補聴器とサウンドジェネレーター(音を発生させる装置)との複合機をご希望なら、複合機を装用するのもよいと思われます。

補聴器診療はこちら

TRTとはサウンドジェネレーター(音を発生させる装置)で耳鳴よりも小さな音を入れつつカウンセリングを行うことで、耳鳴による苦痛を減じる治療です。音を発生させる装置と書きましたが、実際は補聴器に音を発生させる機能を追加した複合機を用いることが大半です。

耳鳴は音がしているところのほうが気になりにくいので、音を入れることでそのような状態を作り出して、耳鳴を気にしないように訓練していきます。ガイドラインでは、TRTは難聴がなく苦痛が強い耳鳴に選択肢とされています。

薬物療法

対症療法として、耳鳴で眠れないなら睡眠導入剤を、いらいらしてしまうなら安定剤といった使い方をすることがあります。また、うつ状態など精神的に問題がある場合はその治療を行うことで耳鳴の苦痛を減らすことができるため、抗うつ薬で治療することもあります。内耳の血流をよくする薬や漢方薬を投与することもありますが、効果がないと否定することはできないものの、耳鳴が明らかに小さくなるなどの著名な効果は期待できないのが実際です。

心理療法

認知行動療法が有用であるとされていますが、この治療を受けることができる施設が少ないのが問題点です。

 

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