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声帯結節・声帯ポリープ・ポリープ様声帯について

[2025.08.30]
声帯結節・声帯ポリープ・ポリープ様声帯について
声がれの原因にはさまざまなものがあります。多くは風邪やインフルエンザなどのウイルス感染、もしくは細菌感染による炎症で、通常は数日から1週間ほどで回復します。しかし、それ以上に声がれが続く場合は、声帯にできる病変が関係していることがあります。代表的なものには「声帯結節」「声帯ポリープ」「ポリープ様声帯」、そして「喉頭癌」などがあります。今回はその中から、名前は似ているものの特徴や成り立ちが異なる「声帯結節」「声帯ポリープ」「ポリープ様声帯」について、それぞれの違いや治療法について解説し、声がれの際の受診の目安をお伝えします。
声帯結節とは
声帯結節は、声帯にできる小さなたこのようなふくらみです。長期間にわたり声を使いすぎることが原因で、教師や保育士、歌手など声をよく使う職業の方に多く見られます。声を頻繁に使う子どもに生じることもあります。 両側の声帯の同じ位置に左右対称で小さなふくらみができるのが特徴です。これにより声帯同士がしっかり閉じられず、声がかすれる・出しにくい・すぐに声が疲れるといった症状が出ます。 治療はまず声の安静と発声方法の見直しです。喉を休めれば自然に小さくなることも多く、発声訓練(音声治療)も効果的です。手術が必要になることは少なく、生活習慣の改善が重要です。
声帯ポリープとは
声帯ポリープは、声帯の一部にできるやわらかいできものです。結節と異なり、片側だけに生じることが多い点が特徴です。 原因としては、大声を出した際の負荷、喫煙、慢性的な炎症などが挙げられます。声帯の一部が膨らんで振動が妨げられるため、声のかすれや息漏れのある声になります。 小さいものは自然に改善することもありますが、大きい場合は手術で取り除く必要があります。手術後は声の安静と禁煙がとても大切です。
ポリープ様声帯とは
ポリープ様声帯は、声帯全体がふくらんでむくんだようになる病気です。両側の声帯が広い範囲で膨らむのが特徴です。 感染が原因のこともありますが、最も多い原因は喫煙で、長年タバコを吸っている方に多く見られます。声帯が腫れることで声が低く太くなり、女性では「男性のような声になった」と感じることもあります。声のかすれだけでなく、場合によっては呼吸が苦しくなることもあり、生活の質に大きな影響を与えます。 喫煙している場合は治療の基本は禁煙です。禁煙をしないまま手術をしても再発しやすいため、生活習慣の改善が欠かせません。症状が強い場合には手術で腫れを取り除くこともありますが、まずは禁煙が第一歩です。
受診の目安
声がれは誰にでも起こる身近な症状ですが、2週間以上続く場合や急に声質が変わった場合には注意が必要です。今回紹介した声帯結節・声帯ポリープ・ポリープ様声帯は命にかかわる病気ではありませんが、特に喫煙習慣のある方では「喉頭癌」の可能性もあります。放置せず、耳鼻咽喉科での診察を受けることが大切です。
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