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今シーズンよりゾレアによる治療を開始いたします。

[2026.01.10]
はじめに
今シーズンより、当院でもゾレアによる治療を開始いたします。当院のウェブページにもゾレアのページを作りましたが、コラムでも紹介いたします。 ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、重症のアレルギー性鼻炎に対して使用される注射薬です。従来の飲み薬や点鼻薬などの標準的な治療を行っても、症状が十分に改善しない方に対する新しい治療の選択肢として位置づけられています。
ゾレアが効く仕組み
アレルギー性鼻炎は、スギ花粉やダニなどのアレルゲンに反応して、体内でIgE(免疫グロブリンE)という抗体が作られることから始まります。IgEの働きで、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを起こすヒスタミンやロイコトリエンといった物質が放出されます。ちなみに、一般的に鼻炎薬として処方される薬のうち、ヒスタミンの働きを抑える薬がフェキソフェナジンなどの抗ヒスタミン薬で、ロイコトリエンの働きをおさえるのがモンテルカストやプランルカストといった抗ロイコトリエン薬になります。ゾレアは、このIgEの働きを抑え、アレルギー反応の出発点を抑える作用をもつ薬剤です。そのため、従来薬とは異なる仕組みで症状のコントロールを目指します。
保険診療で治療が受けられる方
一方で、ゾレアは非常に高価な薬剤であり、誰でも自由に使用できる治療ではありません。保険診療で治療を受けるためには、いくつかの厳格な条件を満たす必要があります。対象となるのは、重症または最重症のスギ花粉症の患者さんで、抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬などを適切に使用しても、症状が強く残る場合に限られます。さらに、血液検査によってIgE値やスギ花粉に対するアレルギー反応を確認することが必須です。
治療のサイクル
治療は医療機関での皮下注射となり、通常は2~4週に1回の間隔で行います。使用期間も花粉飛散期に限定され、長期にわたって漫然と続ける治療ではありません。また、高額な治療費がかかるため、自己負担額についても事前に十分な説明を受け、理解したうえで治療を開始することが重要です。
効果と注意点 臨床試験やメタアナリシスでは、ゾレアにより鼻症状が軽減し、日常生活の質(QOL)が改善したことが報告されています*。一方で、注射部位の赤みや腫れなどの副作用がみられることがあります。まれに強いアレルギー反応が起こる可能性もあるため、治療は医師の管理下で行います。
まとめ ゾレアは、これまでの治療で十分な効果が得られなかった重症のアレルギー性鼻炎に対する新しい治療選択肢です。今シーズンから当院でもゾレア治療を開始しました。毎年の花粉症がつらい方、これまでの治療では生活に支障が出ている方は、ゾレアによる治療が適しているかどうか、一度ご相談ください。

参考文献 * Casale TB, Condemi J, LaForce C, et al : Effect of omalizumab on symptoms of seasonal allergic rhinitis. JAMA 2001 ; 286 : 2956―2967.
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